ばりすたの株式備忘録

ばりすたの株式備忘録

株の世界で5年後も生き残っていたい…

メタップス(6172) - 5枚の決算説明資料から読み解く"今"と"未来"

2017年7月14日(金)に第3四半期の決算発表を終え、本日18日(火)に決算説明資料(PDF)がリリースされました。決算内容自体はある程度理解できていたのですが、気になることがあったので、さっそく資料を確認してみました。

タップス(6172)のこれまでとこれからについて理解する上で重要となるスライドを、ここに5枚ピックアップしてみました。簡単にではありますが、僕なりに整理します。

 

これまでのおさらい

まずは、2017年8月期における事業・サービス拡充の実績から。
ファイナンス関連サービス、つまりFinTech分野にフォーカスして開発や事業提携を進めてきました。

f:id:barista_stock:20170718173705p:plain

 

業績の推移

売上、及び売上総利益は順調に伸びてきています。第3四半期までの進捗を見ると、通期売上予想に対する達成率は56%であるものの、韓国子会社Smartcon社の売上計上について、会計処理方針の変更の影響を受け増額が予定されているとのこと。これで通期売上も達成できそうですね。
これに関してはIRの方に確認しましたが、これまではリスクを見込んで売上が少ない方で計上していたそうです。

※参照:当社連結子会社による株式取得に関するお知らせ(2016年10月25日)

f:id:barista_stock:20170718173719p:plain

f:id:barista_stock:20170718173736p:plain

 

タップスのこれから

タップスは中期経営方針として「データを軸とした経済圏の構築(データのミクス構想)」を掲げています。つまり、【データ+AI】を軸にして、マーケティング(データ解析・広告)」、「ファイナンス(決済・金融)」、「コンシューマ(コマース・メディア)」の3分野で経済圏を構築していくことを、成長戦略として描いています。

下図は、2020年までの重点投資ロードマップ。2011年から順にマーケティングファイナンスとフォーカスポイントを移しながらメタップスの考える経済圏を構築してきて、2018年からは「コンシューマ」領域への投資が始まります。"仕込みが完了"とは心強い言葉ですね。これまでのノウハウを活用してシナジーを生み出しながら、コンシューマ領域の事業を立ち上げ、育てていくことになるとのこと。

f:id:barista_stock:20170718174212p:plain

f:id:barista_stock:20170718174228p:plain

 

今後の重点投資の第一歩:Timebank

今回の決算説明資料の発表と同時に、コンシューマ領域での新規事業のリリースもありました。それが「時間の再発明」に取り組むTimebankツイッター界隈ではすでに情報が飛び回って盛り上がりを見せていますね。

www.metaps.com

 

このサービス、簡単に言ってしまえば「専門家の空いている"時間"をリアルタイムに売買できる時間取引所」

① BtoCにおいてより個人が活躍しやすいマーケットを作ったクラウドワークスの要素と、② メルカリminne(ミンネ)BASE(ベイス)のような個々人で売買が簡単にできるCtoCプラットフォームの要素、さらには、③ 最近話題になった、ビットコインで個人の価値を売買する、株式市場のようなプラットフォームを作ったVALUの要素が複合的に混じり合い、「時間」を基軸通貨とした経済空間を作り上げようとしています。

f:id:barista_stock:20170718205022p:plain

 

ここに、これまで培ってきたマーケティング事業とファイナンス事業の知見をつぎ込んでくるということですよね。どのような「金のなる木」になっていくのか、とても楽しみです。その他関連情報は下記ツイートにもありますので、興味のある方はご覧ください。

 

下記書籍は、代表の佐藤さんの凄さ、魅力に触れるのにオススメです。

 

ちなみに、チャートは大きく下げてからヨコヨコが長く続いてきていたのできれいな状態。ただし、いったん動き出すと癖が強くて動きも荒いので、これからINされる方はお気をつけください。

https://chart.yahoo.co.jp/?code=6172.T&tm=1y&type=c&log=off&size=m&over=m65,m130,s&add=v&comp=

【一生暗記】投資でメンタルを正常に保つためにやっておきたいこと

ファンダメンタル分析テクニカル分析も重要で、日々ブラッシュアップするように取り組んでいますが、投資では"資金コントロール""メンタルコントロール"の方が重要だと考えています。よく言われていることなんですけどね。

そして試行錯誤しながら、自分なりのコントロール方法を見つけている最中ですが、僕が意識しているのは以下のようなこと。

  • どんな時間軸で運用するのか?
    (長期?中期?短期?デイトレ?)
  • どうなったら「買う」のか?
  • どうなったら「売る」のか?
  • どれぐらいの「利益」を期待するか?
  • いくらまでの「損」は受け入れられるか?

これをベースに、5銘柄ぐらいを選定して資金を配分するように心がけています。とはいえ、まだまだ資金効率は悪くて、「それを今買わなくても良かったのに…」などと反省する日々。。

以下では、これまで読んだ書籍の中で、ファンダメンタル分析テクニカル分析以外の要素で記憶にとどめておきたいことを備忘録として書いておきます。

 

『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』

最近の僕の、ファンダ&テクニカルの礎になっている書籍。それ以外にも、投資に臨むにあたっての心構えや行動などで参考になることも書かれています。

  • 売買したら日記をつける
  • 買う前に買う理由を書く
     - 何が会社の高成長の牽引役(ビッグチェンジ)になっているのか
     - 年率何%の成長ができそうか
     - なぜ収益性が高いのか。なぜそれが持続できるのか
     - 収益性はどれくらい確実なもので、何によって自分の描いたストーリーがひっくり返る恐れがあるのか
     - 株価はどれくらいまで上昇しそうか

 

『投資で一番大切な20の教え』

これは、最近Kindle本を出版したさっかく (@sakkaku2013) | Twitterさんが、以前オススメしていたことがきっかけで手に取った書籍です。投資を始めたばかりのころ、特に支えになってくれました。

  • 投資は「良いものを買う」ことではなく、「ものをうまく買う」ことで成功する
  • 何を買うかではなく、いくらで買うかが問題だ
  • 投資の世界で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく、心理学である
  • 損失を回避することが自ずと全体の収益率を高める
  • リスク・コントロールはディフェンシブな投資の核である。ディフェンシブ投資家は、正しいことを行おうとするだけでなく、間違ったことを行わないという点を強く重視する

 

『ニュートレーダー × リッチトレーダー』

これも投資を始めたころに出会った書籍。資金管理やリスク管理、あるいは相場心理について得るものが多かったと記憶しています。

  • 取引に際し、過度のストレスを感じるとすれば、取引量が過剰か、もしくは取引システムに十分な自信がないかどちらかだ。取引量を減らすか、もしくは取引システムをもう一度見なおして、ストレスを取り除こう

 

『オニールの成長株発掘法』

ファンダメンタル分析テクニカル分析における名著。この書籍からは書ききれないくらいたくさんのことを学びましたが、以下の一文も印象的でした。出口戦略を練っておくことも重要だと。

  • どの銘柄を買うかだけを重点的に学んでいて、ひとたび買った銘柄をいつどのような状況で売るべきかを理解していない

 

雰囲気や感情に任せて買ってしまうと、そのあとの売却のことまで考えられていなかったり、資金のバランスが崩れてしまったりすることが多いので、これからも上記のことを念頭に投資に臨みます。

f:id:barista_stock:20170717152456p:plain

全自動遺伝子解析装置の観点から見たmiRNAの最新知識

先日、プレシジョン・システム・サイエンス(PSS / 7707)から、書籍『miRNAの最新知識 ~基礎領域から診断・治療応用まで~』にて全自動遺伝子解析装置に関する原稿を執筆した、というニュースリリースがあったので、さっそく購入して読んでみました。

PSSが担当したのは「第17章 miRNAによる検査診断ツールおよび核酸医薬開発の現状」内の「第2節 臨床現場での仕様に向けた全自動核酸抽出装置」のパートだったので、その部分だけですが、僕なりにまとめてみたいと思います。

その前にまず、PSSが本書籍の執筆に至った経緯の説明から…
PSSは、2014年度から2018年度にわたる国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の「次世代がん診断システム開発プロジェクト」に参加しています。

体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクトという内容で、独立行政法人国立がん研究センターをはじめ、大学機関や民間企業等、全17機関で取り組んでいるもので、そのプロジェクトメンバーの1つがPSS
※参照:研究開発メンバーの紹介|プレシジョン・システム・サイエンス株式会社(PSS)

本書籍は、まさに"研究経過報告書のサマリー"とでも言えるようなもので、各プロジェクトメンバーが各研究内容を簡潔にまとめています。

本プロジェクトで「臨床現場での使用に向けた検査システムの開発」を担当しているPSSは第17章・第2節を

  1. Magtration®を使った核酸抽出装置
  2. 全自動遺伝子解析装置
  3. 将来への展望 

の3パートに分けてまとめていました。もちろん、とびっきりの新ネタが書かれているわけではないのですが、ホルダーとしては握力を高めることができました。ポイントは2つあると思っていて、「Magtration®テクノロジーのすごさ」「臨床現場の協力を得られる環境」です。以下では書籍の内容を踏まえながら、それらについて触れていきたいと思います。

質の高い全自動化を実現したMagtration®

通常、遺伝子検査は

  1. サンプルからのDNA/RNAの精製
  2. 核酸の増幅反応のセットアップ
  3. 核酸増幅反応
  4. 結果の判定

といった4つの工程で行われます。

遺伝子検査は生化学検査や免疫血清検査と比べると歴史が浅く、全自動化が遅れていることもあり、これらの工程が人の手によって実施されていることが多いそうです。しかも工程の複雑さ、感度の高さから、信頼性の高い結果を再現よく得るためには、訓練された技術者が試験を行うことが必須になっているとのこと。

この遺伝子検査に必要な4つの工程の自動化に取り組み、それを可能にした技術が、磁性粒子に着目したMagtration®。これはノーベル賞の選考委員を務めた実績を持つ、マティアス・ウーレン教授(スウェーデン王立工科大学)のお墨付きを得るほどの技術です。技術の詳細を知りたい方は動画を見てみてください。

www.youtube.com

このMagtration®テクノロジーによって熟練技術者でも差が出やすい核酸抽出工程を自動化したことで、その後の工程においても信頼性、再現性の高い結果を得ることが可能になりました。

本プロジェクトでも使用されている「geneLEAD XII plus」では、人の手で4〜6時間かかっていたものが全自動化で2〜3時間に短縮され、精度や再現性においても、試験に慣れた技術者が行ったデータと同等以上の結果が得られているようです。

f:id:barista_stock:20170715203430p:plain
※図は 『miRNAの最新知識』のp.181より抜粋

他社で全自動遺伝子解析装置を作っているところはあるものの、全自動化が遅れている分野において、これだけ高精度かつ、再現性高く解析ができるのはPSSの強みである、と実感した次第です。

医療現場と連携を取りながらの開発

ただ、解析の質が高い!とはいえ、一般的には、数千種類を越える多様な塩基配列を持ち、かつそれらの存在比率やコピー数にも差のあるmiRNAを対象として、高精度かつ再現性高く解析することは非常に困難なこと。 
また、どのようなmiRNAが解析の対象になるか、現状では不明確であり、多種多様な解析に適応することができる検査用試薬及び機器の開発が必須になります。

PSSはこれらの課題を解決するために

  1. 対象とする疾患の関連する臓器由来の特定なエクソソームを分離し、
  2. 単離されたエクソソームよりmiRNAを抽出し、
  3. 数種類から数百種類のmiRNAの高感度な同時検出及び解析を可能とする検出システム、かつ
  4. これらの工程の完全な自動化、検査試薬のパッケージ化

を予定しています。

さらに、データの検証や各種最適化のために、実際の医療現場の協力を得ながら、より実用的な自動化システムを構築していくとのこと。

これはとても重要なポイントで、いくら自動化で省力化できるとはいえ、現場が使いやすいもの、現場が求めているものにしていくことは最低条件。通常であれば、仮説検証するだけのデータを収集するのは気が遠くなる話だと思いますが、幸い、本プロジェクトを通じてであれば、医療現場とつながりを持った中で、たくさんの仮説検証を繰り返し、ブラッシュアップしていくことができると容易に想像できます。

geneLEAD VIII

実際、このプロジェクトの過程でブラッシュアップされたと思われる「geneLEAD VIII」(近日発売予定) は、中小の病院でも導入しやすいスペックになっています。

geneLEAD RBA96(仮称)

また、現在開発中の「geneLEAD RBA96(仮称)」のスペックは、本プロジェクトが最終目標の1つとして掲げている「1日100検体の処理能力を目標にmiRNA検出自動化装置の設計を行う」に近いものになっています。これがおそらく、本プロジェクトの最終アウトプットして製品化され、現場に普及していくものになると考えられます。

 

このように、PSSは技術力の高さだけでなく、現場が求めているものを作り出せる環境に身を置き、それをまさに開発中の状況なのです。そういったことが、本書籍から読み取れました。

期末決算発表は2017年8月14日(月)の予定。2017年6月期の数字は予想通り赤字だと思いますが、今後が楽しみな会社だなと思います。

なお、PSSという会社に興味を持った方は、ぜひ下記記事もご覧ください(決して買い煽りではありません。あくまでも投資は自己責任でお願いします…)。

barista-stock.hatenablog.com