ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

JMC(5704) - 2019年12月期2Qの進捗

8月9日(金)に、JMCの2Q決算発表がありました。いろんな人の、いろんな考え、思いがあると思いますが、とりあず、内容を整理しておきたいと思います。

kabutan.jp

 

2019年12月期第2四半期決算

もともと2Qは大きな伸びはないと想定していたのでほぼほぼ予想通りでしたが、通期計画に対する進捗率は、売上で49.5%、経常利益で74.6%と、生産力・販売力増強中の投資フェーズにしてはいい着地ではないでしょうか。

 

事業ごとに細かく見ていきます。事業別の推移は以下のような感じ。

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3Dプリンター出力事業

医療分野に本格参入したものの、事業全体としてはまだ立ち上げ期で、基盤を整えている状態。営業人員の増員含め、販売強化に向けた動きが強いが、そろそろ投資フェーズの後期の印象。

  • HEARTROID(ハートロイド):心臓カテーテルシミュレーター

国内外の展示会等に出展するなど販売強化を継続。また、INABATA EUROPE GmbHと、HEARTROIDの欧州全域における販売業務に関する取引基本契約を締結し、欧州における同製品の販売強化に向けた動きも(2019年6月12日にIR)。

 

  • OPENCAST(オープンキャスト):ギプス包帯

日本における独占販売権及び薬事を取得し(2019年6月27日にIR)、販売開始に向けて営業人員増員等の準備を推進。カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV」に続き、JMCが独占販売権を得た2つめの医療機器商材で、この2つめからは、今後の3Dプリンター出力事業の売上目標には含まれていない(なので、上振れ要因)。

鋳造事業

自動車EV化関連の大型化や複雑化により、「短納期」「高品質」を筆頭に顧客のニーズが多様化。そうした対応を経ることで、受注を増やしながら、"大手自動車メーカーをはじめ国内主要メーカーの信頼を獲得し、複数社の開発パートナーとしての立ち位置を確立"にもつながり、高単価案件が増加中。

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※ホリスティック企業レポート(証券リサーチセンター / 2019年7月5日)

それにより生産キャパ不足がボトルネックになっているため、生産能力向上が急務(生産能力を上げれば、それに伴って売上も上がっていく状況)であり、それに向けた打ち手も複数進めているが、コンセプトセンター第6期棟の稼働は7月からなので、2Qは投資色強めだったかと。

  • ミーリングセンター(仮称)@静岡県浜松市の建設着手(2019年4月19日にIR

  • 長野県飯田市のコンセプトセンターでの新工場棟の建設や新機能の設備機器導入(2019年8月6日に、新工場棟の稼働および砂型造形サービス開始のIR
CT事業

中期経営計画にも記載されていたが、産業用CTによる「検査・測定サービス」市場自体が未形成で、これまではCT本体が販売できれば売上が大幅増になる、といった不安定な状況。基本的には、まだ市場開拓、認知形成のフェーズなので、まだまだこれから。

ただ、JMCの事業においては、「3Dプリンター出力事業」に対してのリバースエンジニアリング、「鋳造事業」に対しての品質担保の意味合いが強くあるので、引き続き、サービスの質を上げるために欠かせないパーツ。

今後に向けて

重要なポイントはいろいろあるけど、今後に向けて重要な点をあえてセレクトして挙げるとすれば、個人的には「鋳造事業における生産能力向上」「データの活用」の2つでしょうか。

鋳造事業における生産能力向上

既述の通り、鋳造事業の現状は生産能力を上げれば、それに伴って売上も上がっていく状況であり、クライアントの熱が冷めないうちに、いかにスムーズに実行していけるかが、直近の最重要事項。特に、2020年1月操業開始予定のミーリングセンターは鋳造事業の飛躍のカギを握っているはず。 

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データの活用

これは少し時間軸の長い視点での話だが、中期経営計画の「データチームの新設」には、以下のような記載がありました。

当社の3Dデ ータを扱う技術・ノウハウは、各事業共通の強みの源泉となっています。今後さらに拡大するサプライチェーンにおいて、当社独自の付加価値を強化するため、3Dデータの取得・作成・編集に特化したチームを新設し、2021年に向けて段階的に増員する計画です。また新設するデータチームは、3Dプリンター出力事業だけではなく、鋳造事業やCT事業を横断してサポートするハブとして機能し、今後の自社製品設計も視野に入れた、当社の新たな成長軸とする方針です。

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昨今「ビッグデータの活用」が叫ばれているが、まさにそれ。

現在の顧客提供価値を向上させるのはもちろん、記載されているように「自社製品設計」にもつながるものだし、また、「蓄積してきたノウハウ・デザイン・設計ツールの製造業に向けたオープンソース化」(こちらを参照)なども考えているようなので、そういったことにも影響してくる重要な要素ではないかと。

こうした「データ活用」がしっかりとできてくると、事業にもより広がりが出てきて、さらに一皮も二皮も剥けて、事業のビッグチェンジとなるのでは、と期待大。

 

短期的な株価の動きはどうなるか分かりませんが、中期経営計画を念頭に、長めの時間軸で投資していければなと考えています。

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今週の株価動向-2019/08/02

以前から、Excelで株価や出来高分析をしていたんだけど、改めてMicrosoftが提供しているBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Power BI」を活用することにしました。

barista-stock.hatenablog.com

 

BIツールというのは、大量のデータを分析して、迅速な意思決定を助けるのためのツールで、最近はビッグデータの活用から、BIツールを利用する企業が増加しています。直近のニュースでは、SalesforceGoogleがBIソフトウェア企業を買収したことでも話題になりました(個人的に)。

japan.zdnet.com

 

個人的には、仕事でGoogleの「Googleデータポータル」を使っていたんですが、「Power BI」の方がよりアドホックな分析ができそうで仕事にも活かせそうだということもあり、以下のツイートにもあるように、さばすとさんのテンプレを拝借して、「Power BI」を活用した分析を始めてみることに。

今はまだ当日分のデータの活用のみで、ヒストリカルデータを活用した分析はできていないので、当面はデータの蓄積を兼ねてブログにアップしていきます。 

 

株価マップ(全銘柄)

今週の後半は、値下がり銘柄数の方が多い日が続き、なかなか厳しかった印象。決算も多い週で、資金流入の取捨選択がより明確に。でも、決算が良くても、株価上昇は長く続かない相場が続いていましたね。ただ、出来高、売買代金も戻りつつあるようなので、来週以降、秋に向けてまた動き出すかもですね。トランプ砲の動向も気にしつつ…

 

株価マップ(バイオ)

その傾向はバイオも同様。たとえば、好決算だった医学生物研究所(4557)は決算後跳ねたものの、 今日は5%超の下げ。ただ、大きく崩れるというよりは、いったん調整かなと。
一方、大きな出来高率を保ちながら、株価も安定していた銘柄も。それは、そーせい(4565)、キャンバス(4575)、オンコリス(4588)の3つ。

 

kabutan.jp

ちなみに、オンコリスは今日決算があったようで、この決算内容で、思惑もあり、このチャートなら、また一相場ありそうな気がしなくもないかも。売買は自己責任で… 

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参考書籍

JMC(5704) - 中期経営計画を受けて

(追記:2019年6月13日)

かれこれ1年以上推してる銘柄、JMCが、5月30日に中期経営計画を発表しました(※中期経営計画説明会の動画はこちらから)。

 

JMCのビジネスモデルや強みは基本的には変わっていないので、興味のある方は以前の記事を見てください。

barista-stock.hatenablog.com

 

いろいろな考え方、思惑があるのは常なので仕方のないことですが、JMCについて、あまりきちんと理解されてなさそうだと感じる節もあるので、今回はそれについて僕なりの考えを整理したいと思います。

 

1. 「3Dプリンターの会社」ではない

当社が3Dプリンタ ー出力事業で製造業に本格参入し、今年2019年で20年目の区切りを迎えました。

中期経営計画の冒頭でこう書かれているように、今の事業形態は3Dプリンター出力事業から始まったので、3Dプリンターの会社だと思われている方も多いですが、実際は「CT事業」「3Dプリンター事業」「鋳造事業」の3事業が連携しあっていて、鋳造事業が売上の60%近くを稼いでいる状況です。

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JMCの鋳造は砂型鋳造になりますが、砂型鋳造の日本市場は自動車を中心とする電動化市場に成長環境があり、今後も継続する見込みとのこと。JMCの主力事業はまだまだ成長途上にあるようです。そのJMCの鋳造事業の特徴を2つ、挙げておきます。

特徴1:アルミの鋳造

EV化においては「軽量化」と「熱を逃がすこと」が重要になるのですが、これにはアルミニウムという素材がとても適しているようです(IR担当の方より)。これはJMCが得意とするものであり、それが功を奏して今の状況に至っています。

特徴2:開発パートナー的立ち位置の確立

複数の大手メーカーから高い評価を獲得し、それぞれのメーカーにおける開発パートナー的立ち位置を確立しつつあり、自動車のEV化にともなう新規試作開発のみならず、高度な技術を要する内燃機関系の案件が増加し、CT事業においてはモータースポーツ関連等の高付加価値案件の増加が好業績の一因

直近の決算短信にも書かれていたように、クライアントとより深い関係を構築しつつあり、それが高付加価値案件となり、特に直近の利益率向上にもつながっています。

IRの方に聞いた話では、JMCは3Dプリンターで造形した砂型にアルミを流し込んだあと、CTで「巣」がないかをチェックして出荷しているとのこと。つまり、これまでは「短納期」がウリだったのが、3Dプリンター事業&CT事業との組み合わせで高品質も担保できるようになってきた点が、高い付加価値の提供につながっています。

日本でも金属3Dプリンターが注目されてきているようですが(現時点のJMCは、金属3Dプリンターは未導入)、JMCは単なる「3Dプリンターの会社」という枠組みを超えて、「CT事業」「3Dプリンター事業」「鋳造事業」の3事業の連携によって付加価値を提供している会社に変貌しつつあるのです。

 

2. 高成長だけど長めの時間軸で

中期経営計画自体、物足りないと指摘している方もいるようですが、僕自身そうは思っていないものの(気持ちは分かるw)、他にもっと高成長・急成長する企業は存在しますし、短期的で急激な成長を望まれている方にとっては少し物足りなく感じるのも無理はありません。ただ、僕自身も2019年12月期1Qのような数字が直近も続くとは思っていないので、そのあたりのことについても触れたいと思います。

 

2-① キャパの観点

・2018.01.31 鋳造工程に特化した新工場稼働のお知らせ(pdf)

・2018.07.26 鋳造事業における生産設備増強についてのお知らせ(pdf)

2018年12月期2Qからの鋳造事業の大幅な伸びは、上記リリースより、2018年1月から稼働開始したコンセプトセンター第5期棟(延床面積 1,397.93㎡)2018年7月、及び11月に大幅に増強された生産設備によるところが大きいと考えられます。

現在の稼働率は分かりませんが、鋳造事業の成長にはこのキャパ問題はついてまわるものなので、今後の短期的な成長はキャパシティ増なくしてはありえません。それでは、今後の増強はどのような計画なのか?それは、中期経営計画に以下のように書かれています。

現在(2019年5月現在)建設中のコンセプトセンター第6期棟が稼働すると、鋳造工程における高難易度な製造および製造時間短縮が実現し、ミ ーリングセンタ ーの稼働によ って、大型部品加工や外注加工の内製化が実現します。これらの効果により、鋳造事業全体の技術力、生産能力の大幅な底上げがなされる見込みです。更に本中期経営計画期間においても需要に即応し設備投資を実行していく考えであり、同事業の生産能力はより一層向上してまいります。

 

・2019.02.25 コンセプトセンター第6期棟の建設について(pdf)

・2019.04.19 (開示事項の経過)固定資産(新工場建設)の取得に関するお知らせ(pdf)

コンセプトセンター第6期棟(延床面積 521.5㎡)は2019年7月に稼働開始予定で、自動車分野におけるコア部品製造に注力し、鋳造工程における高難易度な製造及び製造時間短縮が実現されるとのこと。また、静岡県浜松市に建設予定のミーリングセンター(延床面積 1,606.29㎡)は2019年11月下旬に竣工予定で、こちらでは大型部品加工や外注加工の内製化が実現され、自動車のEV化により大型化・精緻化する開発需要に対応、生産能力を強化されるとのことです。

したがって、次のキャパ向上が鋳造事業の業績向上に大きく寄与してくるのは、2019年12月期の下半期、あるいは来期2020年12月期以降になると想定できます。今期2Q、3Qは横ばいぐらいですかね。慌てない、慌てない。

2-② 新規事業の観点

次に、新規事業の観点です。

中期経営計画でも触れられていますが、すぐに業績に直結するのは難しいとは思うものの、「医療機器分野」と「航空分野」には期待したいなと思っています。

ただ、「航空分野」に関しては、2021年建設開始予定の伊豆木センター(長野県飯田市)が生産拠点になるので、売上として大きく見込めるのはまだ当分先ですね。

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ちなみに、長野県飯田市はもともと航空・宇宙分野で実績を上げている企業が集積している地域のようなので、動き出したら早いだろうなとは思っています。

 

一方、「医療機器分野」は、少しずつですが事業として育ってきています。

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HEARTROIDを中心に、2018年に海外での医療機器販売に強い企業と提携して、2018年の海外比率も上がってきていたりと、実績を積み上げてきているのが心強い。

また、IRの方いわく、海外では動物実験が禁止されている地域は多いこともあって、HEARTROIDの引き合いは海外で強いようなので、引き続き海外市場の開拓をがんばってほしいところです。 

 

他に期待したいものとして「医療機器の製造販売」もありますが、2018年に「医療機器製造業」と「医療機器製造販売業」の許可を取得したところで、まだまだ投資フェーズ。

 

 

また、社長は以前、以下のようなことを言っていて、直近では海外製品の国内薬事取得の事例も実際に出てきているので、今後はさらなる高付加価値案件に取り組んでいってもらいたいものです。

私どもの日々の3Dプリンターのビジネスで、試作開発、アイデア等をいただきながら物のを作るということはしていますけれども、「製造」という免許がないので、一旦、製造は外部に投げます。投げていった中で、またそれを売る、売らないの機会をいただくのですが、そのようなところを一貫してできるような会社になっていきたいと。
もしくは、海外でライセンスアウトしたものを日本に持ってきて、私どもが作って売る。その際に、また私どもはシミュレーターを作りながらご提供する。付加価値を上乗せして販売していくような事業モデルを目指すための投資の期間だと思っています。

 

追記(2019年6月13日)

医療機器関連の売上について、説明会の動画で社長が触れていたので追記しておきます。質疑応答があったわけではないのですが、「"今後の3Dプリンター出力事業の売上目標に、医療機器は含まれていますか?"とよく聞かれるのですが…」と社長自ら切り出し、自問自答の形で「セキュアポート1商材のみです」(動画 22分40秒あたり)とのこと。なので、今後セキュアポートのような形で商材を追加し、それが売れていけば、新規で積み上がっていくことに。これも楽しみですね!

※参照)カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV」について[プレスリリース]2019.03.18 当社初の医療機器薬事取得のお知らせ

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このように、僕自身、JMCに対する期待値は高いものの、成長の時間軸は長めに見ています。もちろん、株式投資において短期的に値幅をとっていくこともできると思いますが、僕のような見解もあるんだな、と多少なりとも参考にしていただければ幸いです。

そして最後に…もしJMCという会社に興味を持たれた方がいたら、ぜひ社長の話も聞いてみることをお勧めします。1年ほど前のものになりますが、ラジオ日経に出演されていたので、こちらもぜひ参考にしてみてください。それでは。