ばりすたの株式備忘録

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ばりすたの株式備忘録

株の世界で5年後も生き残っていたい…

そーせい 個人投資家説明会について

2017年5月19日(金)にそーせい(4565)の個人投資家説明会が開催されました。僕は都合がつかず参加できませんでしたが、多くの方がtwitterで実況中継してくださったり、ブログで報告してくださったりしていたので、概要は知ることができました。みなさん、ありがとうございます。

今後のためにも、みなさんが共有してくださったものを参考に、備忘録としてのこしておきたいと思います。

※あくまでもこれは伝聞の内容なので、鵜呑みにせず参考程度に留めるようご留意ください

 

Wave1について

  • いたって順調

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M1(アラガン)
  • 2017年後半ごろ開始を予定しているPh1b(患者ベースの試験)の治験期間は、まだ治験内容も定まっていないので未定
    ※POCを取ることが目的の、重要な第2相の開始時期は推測できず…
A2A(アストラゼネカ
  • 2017年後半(年末までに)、Ph1aの結果読み出しへ
  • 年末の臨床データの読み出しを待っているだけで、進捗は順調
  • 阻害剤とのシナジーもあり、全く問題ない
  • 期待できそうな話ぶり

 

Wave2について

  • 技術については深化(G7の影響は大きい)

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その他の提携について

ウルティブロ(ノバルティス)
  • 中国承認の進捗
    ※説明会での情報ではないけど、中国承認の進捗に関しては下記ツイートを参照

 

ファイザーとの提携
  • GPCRの10の構造について提携、進捗は順調
  • Ab Initio社の話は出ていないが、下記記事の確度も高いのでは?という声も

www.fiercebiotech.com

※上記記事は、バイオテックのAb Initio社が「GPCRスーパーファミリーの非公開標的に対する新規治療抗体を発見する」ためにPfizer社と提携し、その設計にHeptares社が絡んでいるというもの

 

子会社の状況説明

  • アクティバス堅調
  • JITSUBO技術の最適化とコラボの検討中
  • CVCは評価中
  • Heptares
    新しい工場ないしオフィスはギリアドの後のもの
    アメリカのボストン(ロンドンとの時差が5時間)あたりにも検討中?
    by アンドリュー氏

 

MiNAについて

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Q. 条件付対価は第2相、第3相、承認申請等でどれくらい払うのか
  • 第2相、第3相等のマイルの具体的な金額がどれくらいかという説明はなし
  • 条件付対価は、MTL-CEBPAのHCC(進行性肝がん)のみではなく、既に開発しているその他いくつかの候補品によって決定
  • HCCは、日米欧は自社開発で、その他の地域は導出を検討
  • NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)や肝硬変も導出の方針で、上記導出金で条件付対価を支払う予定
その他もろもろ
  • オプション行使までに、マイルか何かがありそう?
  • MiNAのお金の工面は既についてる話ぶり
  • 先行している試験は、アメリカの治験をやったとしても希少疾患であり50人程度でOK
  • 営業も含めて負担感なくやっていけるが、利益も大きく、データが良ければ美味しい案件
  • 大手製薬が欲しがるはずだから、他の地域は大手に導出する
  • MiNAの技術(臓器の機能回復?)は様々な疾患に応用できる、MiNAの持っている知財が大きな可能性を秘めている」と経営陣が理解してる印象を受けた

 

ピーター CEOについて

Q. 東証一部上場への意欲は?
  • 東一は検討は続ける
  • 現状では収益が上下するので、中期開発企業へと変革する中で収益が安定するなら…ということで、取締役会で検討し続けていく
Q. 在任中の株価はいくらを考えているか?
  • 田村会長よりは株価については慎重
  • 人材と技術、パイプラインを考えると今後の見通しは極めて強い
  • 提携も意図どおりで、中期開発会社になるのは極めて楽観視している(1年から1年半で中期開発の会社に)
  • その後、完全な製薬会社になるとすると別次元にいることになる
  • 今後の大型買収はこれで終了というような趣旨の発言あり?

 

アンドリュー CFOについて

Q. MiNAはHeptaresに対してどれくらいの規模感で考えれば良いか?Heptaresよりも小さいか、それとも同等か?
  • どちらが大きいかということを答えるのは非常に難しい。どちらも大事で、どちらも素晴らしく成長してくれる可能性を秘めている
Q. Heptaresには現在120人近くの社員とどんどん増えているが、まだまだ増えていくのか?
  • 現在はless than 120といったところで、もちろん採用が終わったわけではなくこれからも増やしていく予定
  • ただ、治験の業務量には波があるので、アウトソーシングをうまく活用しながらコストが増えないようにうまくコントロールしていくつもり
Q. 説明中はメガファーマを目指すといったコメントが何回も出てきていたが、具体的にはどのような企業を目指していくのか?
  • 私が以前いた会社は300億ドルで買収された(スイスのActelion社?)
  • 今、そーせいの持っているパイプラインはそれよりも刺激的でエキサイティングなものだと思っているので、今後大きくなっていくということは言える
  • Q&Aのファイナンスの話の際に、"strong relationship between Japanese bank ..."とCEOが言っていた隣で、CFOも力強くうなづいていた場面も

 

最後に…

発言の順番や背景、文脈等は無視してまとめたので、動画等が今後アップされるようであれば、そちらも確認したいと思います。

 

※説明会の動画視聴は以下より|2017年5月22日 追記

(Q&A部分はなしですが…)

www.c-hotline.net

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体

本日2017年5月18日にそーせい(4565)からCGRP受容体拮抗薬に関するIRが出ました。

前臨床開発候補薬であるCGRP受容体拮抗薬が、有望な片頭痛治療薬として、更なる前臨床試験に向けて選択される

 

CGRP受容体拮抗薬に関する動向は遅れていたので、予期していていなかったタイミングで動きがあったのは嬉しかったものの、改めて考えると、CGRPについてよく分かっていなかったので、いまさらながらにいろいろ調べてみました。

 

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)とは

(calcitonin gene-related peptide、略:CGRP)

中枢神経、心臓や血管など末梢の一次知覚神経の終末および遠位端に存在しているアミノ酸37個からなるペプチドである。カルシトニン遺伝子が選択的スプライシングを受けて作られ、αCGRPおよびβCGRPの2種類の異性体が存在する。

αCGRPは主に末梢の感覚神経節のAδ線維およびC線維内に、βCGRPは主に腸管の神経系に分布する。カルシトニン遺伝子関連ペプチドは受容体を介して細胞内cAMPを上昇させ、血管拡張、心拍数減少および心筋収縮力増大を起こしたりする。炎症にも関連し、軸索反射により放出されると紅斑(フレア)が出る。鍼灸ではこの作用を利用し、体質改善を促進したりしている。

また、片頭痛では三叉神経末端が刺激されてそこからCGRPが分泌され、血管拡張を誘発して片頭痛が起こるとされる。このため片頭痛急性期治療にカルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体の拮抗薬が有効ではないかとする研究が進んでいる。

カルシトニン遺伝子関連ペプチド - Wikipedia

Wikipediaの説明ではちょっと難しくて理解が合ってるか分かりかねますが、要は片頭痛の元凶」ということですかね(バッサリw)。

このCGRPレベルの上昇が片頭痛発作時に認められ、CGRPを阻害することは痛みの軽減、及び予防にも効果的であることが臨床的に証明されているため、Heptares社とTeva社は研究開発契約を締結し、CGRP受容体に対する新規の低分子拮抗薬(非注射製剤)を開発しているところです。

 

片頭痛の市場について

そーせい社のIRによると…

米国では36百万人、日本においてもおよそ8.4百万人が罹患していると言われています。片頭痛は男性にくらべ女性は3倍罹患率が高く、片頭痛の全世界における有病率は10%以上と推定されています。片頭痛は繰り返し発生し、中等度から重度の頭痛を来たします。International Headache Societyは、3ヶ月以上に渡り1ヶ月に15日以上発生する頭痛のうち、薬を服用しても起こる8日以上の頭痛を慢性片頭痛と定義しています。

また反復性片頭痛片頭痛のサブタイプであり、1ヶ月に15日以下の発生であると定義されています。片頭痛が起きている間、患者さんは光や音に敏感になる、吐き気・嘔吐などを経験することが特徴とされています。病態生理学的に認識されて以来、片頭痛の確立された治療法はないということが知られています。

日本では8.4百万人ということは人口の7〜8%ほどで、30代の女性に限って言えば5人に1人(20%程度)が片頭痛に悩まされているとも言われています。これは結構な市場規模ですよね?

 

また、上記の

片頭痛の確立された治療法はない」

という記述には衝撃を覚えました。

調べてみると、一応、血管や三叉神経などに直接作用し、血管を収縮させる処方薬はありました。しかし「確立された治療法はない」ということなので、どれも決め手に欠けるという状況なのでしょうか。そのあたりはまだよく分かっていませんが…。

 

CGRP片頭痛薬の開発状況

CGRP片頭痛薬の開発では、

  • Amgen社/Novartis社のerenumab (AMG334)
  • Eli Lilly社のgalcanezumab (LY2951742)
  • Teva社のfremanezumab (TEV-48125)

が進んでいる状況です。

 

Amgen社/Novartis社のerenumab (AMG334)

この中でも、Amgen社/Novartis社のerenumab(AMG334)は、2017年にFDA申請され、2018年に承認される見込みだと言われており、直近の第3相の結果も良好のようで、一歩先に行っています。

www.fiercebiotech.com

 

Eli Lilly社のgalcanezumab (LY2951742)

Eli Lilly社は先日5月12日に「反復性及び慢性片頭痛予防 Galcanezumabの3つの第3相試験で結果良好」とのリリースを出しており、erenumabの独走に待ったをかけた形になりました。

 

Teva社のfremanezumab (TEV-48125)

一方、少し遅れを取っているTeva社も5月15日にリリースを出し、大塚製薬と日本国内における開発および販売に係る独占的ライセンス契約を締結しました。

www.tevapharm.com

この皮下注射偏頭痛予防薬のTEV-48125は抗体医薬品であり、上記のerenumab (AMG334)やgalcanezumab (LY2951742)と同様、現在の片頭痛薬市場においては、抗体医薬の開発が主流となっています。

一方、Heptares社がTeva社と研究開発しているのは、低分子CGRP受容体拮抗薬(非注射製剤)であり、上記の抗体医薬品とは異なります。

 

拮抗薬と抗体医薬の違いについて

さて、ここで、拮抗薬と抗体医薬の違いについて整理しておきます。

まず、拮抗薬というのは下図でいう「低分子医薬」に分類されるもので、「たくさんの化合物を合成し、受容体に結合するものを探す」という作業を繰り返してできた医薬品を指します。

一方、「抗体医薬」は、生体がもつ免疫システムの主役である抗体を主成分とした医薬品のことで、特定の抗体が特定の標的(抗原)だけを認識する特異性を利用したものになります。ちなみに、上記のerenumab、galcanezumab、fremanezumabはすべて語尾に〜mabとつきますが、それは"monoclonal antibody(モノクローナル抗体)"の略。ただ1種類のB細胞から作られた1種類の混じりっけのない抗体を意味しています。

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※『エコノミスト(2016年12月6月号)より』

CGRP片頭痛薬で開発が先行しているのは抗体医薬品ですが、今回のそーせいのIRに「研究段階にある他の低分子CGRP拮抗薬とは大きく異なる特徴を有しています」と書かれているように、開発中のCGRP拮抗薬(低分子医薬)もいくつか存在していることが分かります。

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Allegan社/Merck社のMK-1602・MK-8031

CGRP拮抗薬でまず触れなければいけないのが、Allegan社とMerck社との間で締結されたCGRP拮抗薬に対する独占契約。これには2つのCGRP拮抗薬が含まれていました。

www.allergan.com 

MK-1602は、片頭痛の急性治療のための経口小分子拮抗薬で、当時の進捗だと、第2相試験が完了し、2016年に第3相試験の開始が予定されていました。下記サイトを見てみると、2つの第2相試験が完了していましたが、第3相試験はまだ開始していないようでした。これ、いまどんなステータスなんですかね?

Search of: MK-1602 - List Results - ClinicalTrials.gov

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もう1つのMK-8031片頭痛の予防のための経口小分子アンタゴニストであり、こちら第2相試験は2016年に開始される予定とのこと。こちらも、現在の進捗は不明。

 

Eli Lilly社のlasmiditann (COL-144)

CGRP片頭痛薬の抗体医薬の開発を進めているEli Lilly社は、2017年1月18日に米国に本拠を置く企業CoLucid Pharmaceuticals社を買収し、急性片頭痛の治療薬(経口薬)lasmiditann (COL-144)を手に入れています。先行している抗体医薬に加えて、拮抗薬も手に入れたEli Lilly社、かなり手強そうですね。

lasmiditann (COL-144)の臨床試験の進捗は下記リンク先で確認できます。現時点では、2つの第1相がopenになっている状況(2016年の年末、及び2017年の年始にFirst receiveされ、Last updateは2017年5月10日)。

Search of: COL-144 - List Results - ClinicalTrials.gov

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そして、これらを追いかけるのがHeptares社/Teva社の低分子CGRP受容体拮抗薬。今回のIRには「研究段階にある他の低分子CGRP拮抗薬とは大きく異なる特徴を有しています」と書かれており、他の拮抗薬と比べて進捗は遅れているものの、効能にはかなりの自信が伺えます。

 

以上、CGRPについていろいろ見てきましたが、直近のリリース状況を見ると、主流である抗体医薬は間もなく承認される見込みですし、拮抗薬も進展を見せつつあり、かなり動きの激しい分野の1つだと言えます。

そして、Heptares社/Teva社のCGRP拮抗薬に関しては、第1相は2018年後半ごろに開始を予定されているので、先行しているMK-1602・MK-8031、及びlasmiditan (COL-144) の動向は要注目!ですね。

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Gタンパク質共役型受容体(GPCR)

Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の概要

Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、Heptares社が新規創薬で標的とするもので、人の疾患の多くに関与しています。また、細胞膜を7回貫通する特徴的な構造から「7回膜貫通型受容体」と呼ばれることも。

 特徴としては、Gタンパク質共役型受容体にリガンド(特定の受容体に特異的に結合する物質)が結合すると、Gタンパク質を介して酵素の活性が変化し、それによって細胞内にシグナルの伝達を行っています。そして、全タンパク質中、他の型の受容体よりも圧倒的に種類が多く、最大のスーパーファミリー(最大グループ)を形成しています。

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※詳しくは下記サイトを参照(よくお世話になっています^^)

kusuri-yakugaku.com

 

気になる関連記事

膜タンパク質の薬&標的の商業的インパクトとしては、27%と一番大きな規模を有している。

 

選択的薬物療法の標的としてのGPCRヘテロマー(複数のサブユニットから構成されるタンパク質の四次構造)には、複合レセプターの組み合わせがいろいろあるようで。

ヘテロマーなどについて

bio-info.biz

 

フィオナ女史いわく、アデノシンA2A受容体に、新しい別のヘテロダイマーパートナーが見つかったとのこと。これによって、これまでとは異なる活性化反応が見られるようになり、さらに新しい発見があるのでは?


 

ちなみに、以前はGPCR はホモマーとして働いていると考えられており,1つのGPCR を発現させたらそれに対応するリガンド探しを行えば良かったが、GPCRがヘテロマーを形成して細胞膜に発現していることが分かってきたとのこと。そのヘテロマーは単独の受容体の薬物特性とは異なるため、生体での薬物特性はこれらヘテロマーの存在も考慮すべきだという流れになっているようです。

参照:G-protein 共役型受容体を標的とする薬物開発の多様化

 

まだまだ研究途上のようですね。