ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

saRNA(small activating RNA)

先日、そーせい(4565)が出したIRで話題となった小分子活性化RNA(saRNA)について、関連情報をいろいろ調べてみました。

上記IR「MiNA社に対する投資契約の締結」についてはこちらを。

barista-stock.hatenablog.com

 

saRNAのポイントは活性化(activating) 

これまでに解明されていた「小さな二本鎖RNA(small-dsRNA)」は、RNAi(RNA干渉)経路において、基本的には遺伝子発現を制御・沈黙させる働き(下方制御)をしていました。しかし最近の様々な研究によって、small-dsRNAが遺伝子発現を活性化することも発見され、そのメカニズムが「saRNA(small activating RNA)」または「RNAa(RNA activation)」と呼ばれています。

MiNA社のサイトに記載されている、RNA活性化の図。

 上記の4つめのプロセスに、

MiNA has demonstrated the therapeutic potential of up-regulating several proteins in a diverse range of pre-clinical models.

と記述があり、前臨床モデルで、いくつかのたんぱく質を活性化(上方制御/アップレギュレート)させる治療可能性を実証しているとのこと。

正直、それがどういうことかはよく分かっていませんが(汗)、下記の他の方のツイートを見てみると、これまで拮抗薬(antagonist)だけだったのが、作動薬(agonist)も使えるようになり、創薬としての幅が広がっていくということなんでしょう。つまり、これまでできなかったことができるようになっていく可能性が広がったということ。

そういう理解であってるのかな?

 

 

 

これまでのRNA技術とこれからのRNA技術

このRNAiは、2006年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。それにより、当時はRNA技術がブームになったことがあったそうです。そのとき、メルクやロシュが莫大な投資をしたものの、その後パッとせず現在に至っているとのこと。

そうした背景もあり、Peter Bains氏はもちろんリスクは理解して受け入れている、計算済みだ、と発言しています。そして「RNAiとsaRNAはそもそもアプローチが異なるので、そうしたリスクの多くは排除されている」とも。それは、既述の通り、標的遺伝子を下方制御するか上方制御するかの違いということなんでしょう。

 

また、MiNA社はRNA活性化治療分野においてはリーディングカンパニーだと表現されていますし、私たち株主は経営陣の目利きを信じて待つしかないですね。

現状の特許状況を見てみても、 MiNA社の独壇場(1つだけ、カリフォルニア大学の特許あり)。MiNA社独自の技術で先を行っていると言えますが、裏を返すとまだどこもうまくいっているものではなく、未知の領域だとも言えます。

astamuse.com

上記、少し誤解していたようなので訂正、補足します(2017/05/07)。

saRNAはそもそもMiNA社独自の技術で、2014年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校とexclusive license 契約を交わして得たものでした。そのため、上記特許情報にはカリフォルニア大学とMiNA社の名前しかないのは当然のことですね。

MiNA Completes Exclusive License Agreement with University of California San Francisco | MiNA Therapeutics

 

また、RNA活性化(RNA activation/RNAa)には3つのアプローチがあり、saRNAはそのうちの1つでしかありません(動画の3つめのアプローチがsaRNA)。

www.youtube.com

動画中の2つのアプローチはアンチセンス転写物を標的とするものの、RNAiに近しいアプローチのようです。一方、1つめのDavid Correy氏とBethany Janowski氏による手法は、saRMA同様にpromoter領域を標的としている点でとても似ているように思います。

ただ、詳しい相違点はまだ理解できていませんが、小さなnon-coding RNAを標的とするかどうかの違いなのでしょうか。もちろん、小さなnon-coding RNAを標的とする手法がsaRNAで、上記1つめのアプローチはantigene RNA(agRNA)と呼ばれているもののようです。

www.google.ch

 

また、WikipediaにもagRNAとsaRNAはpromoter領域を標的とするものとして併記されていました。どちらに技術的優位性がある等の情報はまだ見当たりませんが…

RNA activation - Wikipedia

 

 

核酸医薬市場について 

世界の核酸医薬市場で承認されてるのはまだ3品目だけ。本格的な市場形成はこれからのようです。※図は「週刊エコノミスト 2016年12月6日号」掲載のものより

 

 

なお、まだまだ情報、理解が不足しているので、下記のサイトなどを参考にしながら勉強・理解を進めていきます。このページをご覧になられた方も、補足や修正点等あれば、ぜひコメントいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

www.gene-quantification.de

 

onlinelibrary.wiley.com

 

MiNA社に対する投資契約の締結について

ゴールデンウィークにもかかわらず(だから?)、本日2017年5月3日(水)の午前中にそーせい(4565)からIRが出ましたね。 これは「理解や情報収集、解釈、勉強に時間かかるだろうから、オタクども、連休中にしっかり勉強しておけよ」ってメッセージなんでしょうか(汗

本契約の主な内容は以下の通り。

・そーせいはMiNA社買収のオプション権を含む投資契約を締結し、一時金3,500万英ポンドをMiNA 社へ出資して25.6%の株式を取得

 

・進行肝がん治療用の新規小分子活性化RNA候補であるMiNA TherapeuticsのMTL-CEBPAに関するフェーズI/Ⅱa臨床試験(OUTREACH)の結果によるマイルストン達成と関連した段階的な条件付対価体系

 

MiNAは引き続き独自の開発並びに小分子活性化RNA(saRNA)プラットフォームを強化、多様な適応においてさらなる新規saRNA治療のパイプラインを築く

 

本契約の狙い

「本契約の目的」にも記載されているように、"当社の中長期戦略において述べてまいりました戦略に基づくM&Aによる成長の一環として行うもの"なので、パイプラインの獲得というよりは、中長期的な視点でMiNA社の技術や特許の獲得を狙ったものと言えます。しかも、臨床試験の結果による段階的な条件付対価体系とすることでリスクを抑えようとする姿勢も伺えるので、とても好感が持てます。

 

Peter氏とDeclan Doogan氏も関わっている企業なので、満を持して!という感じなのでしょうか。

 

今後の見通し

このオプション権の行使は、今後12~18カ月以内と見込まれるOUTREACH試験における臨床上の特定マイルストンの達成状況の評価により決定します。HCCの適応におけるMTL-CEBPA*の詳細に渡る臨床試験データを条件とすることで候補品の臨床的な可能性が明確になるものと見込んでいます。

まずは、何といってもこの臨床試験の結果がどうなるかが試金石になります。2018年内には結果が出るとのことで、まだ少し先ですがこの動向は要チェック。

First-in-Human Safety and Tolerability Study of MTL-CEBPA in Patients With Advanced Liver Cancer - Full Text View - ClinicalTrials.gov

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また、今回の肝がん治療だけでなく、肝疾患の進行遅延あるいは抑制、肝機能改善と広く展開していけそうなことも書いてあったので、そちらの動向も期待したいですね。

 

さらに、今回の契約締結によって「核酸医薬」に進出することになるかと思います。ペプチド・たんぱく質からRNAへと。これも、そーせいの中長期的な展望が垣間見えとても好感が持てるもの。ただ、"核酸医薬の大部分が不安定で分解しやすいRNAのため、生体内での運搬が難しい"と耳にしたこともあり、現在はどうなっているのか、またMiNAの技術は優れていてその点をカバーできているのか、などは(※下記【追記】参照)今後もさらに情報収集して勉強していかなければ…です。 

 

【追記】

RNAについての理解がもろもろ不足していたので、いろいろ調べてみました。まだ勉強途上ですが、下記にまとめています。ご参考まで。

barista-stock.hatenablog.com

 

お金まわりのこと

今回のIRで明記されている支払いが発生しうる金額は以下の通り。

・一時金3,500万英ポンド(約50億円)MiNA 社へ出資して25.6%の株式を取得

 

・同社に対する追加の株式取得により全株式を1億4,000万英ポンド(約200億円)で取得し完全子会社化の可能性を持つオプション権を取得します

 

・本契約に基づく全オプション権を行使してMiNA社を完全子会社化した場合、MiNA社株主に対して2億4,000万英ポンド(約350億円)を上限とする条件付対価を支払うこととなります

 

1つ目の50億円の支払いは確定のものだと思いますが、これだけであれば特に増資の懸念はないですよね。

また、MTL-CEBPAの臨床試験結果が2018年中に出るとのことなので、Mシリーズの進捗が良好であれば、問題なく賄えるでしょう。さらに導出も狙えるのであれば、資金面での不安はありません。

仮に臨床試験の結果が良くなかった場合は追加資金の支払いもないはずなので、獲得した技術・特許を活用してこれからがんばっていきましょう、という話だと思います。

結局、問題になってくるのは今回の投資契約というよりは「Mシリーズの進捗状況」であって、これがコケてしまうと今回の投資資金の支払いも厳しいものになってくるのではないでしょうか。と考えると、さすがにMシリーズでもある程度手応えを得ている(資金面での目処が立ってきた)ので、次の一手を打ったとも考えられます(あくまで妄想…)。

 

さて、これがカタリストとなるかどうか…連休明けの株価動向、要注目。

 

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リスク検知に特化したビッグデータ解析を得意とするエルテス(3967)

最近、株式会社エルテス(3967)に注目しています。2016年11月29日にマザーズ市場に上場したばかりの直近IPO銘柄。

eltes.co.jp

 

特徴

SNSのネット炎上などのリスク検知に特化したビッグデータ解析によるソリューションを提供している企業です。対策コンサルも行っているのが強みで、業界トップクラスの企業を中心に実績を積み、「初期費用 + 月額課金」のストック型ビジネスを軸に展開しています。このストック型ビジネスを軸にしているのはデカイ。事業のテーマ性も十分だし、成長イメージが描きやすいですね。 

さらに2017年2月期決算説明会資料を見ると、さらにワクワクが止まりません。

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公共性の高い分野に展開しつつあり、セブン銀行を始めとする金融機関の実績も上げています。また、2018年2月期への利益貢献はまだ期待できそうにないものの、官公庁向けテロ対策なんかも取り組みを進めているようです。

ちなみに、2015年に入社した羽藤秀雄氏は経産省出身で、特許庁長官まで務めた方で、官公庁との太いパイプも期待せざるをえませんよね。

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エルテスを取り巻く動き

4月末から5月にかけて、テロ、サイバーセキュリティ関連、及びAI関連の動きが立て続けに出てきました。早ければ連休明けにも、次の展開が出てくるかも(期待)。

 

株価の動き

 さて、肝心の株価はというと、3月3日に11,000の高値をつけてから大きく下げていましたが、4月半ばの決算発表を経てから潮目が変わったのか、6,000を底に切り上げてきています。

出来高的には少なめで推移していましたが、6,000あたりで大口が買い集めていそうな雰囲気も。またカタリスト次第では、一気に吹き上げていきそうですね。会社からのIRも含め、今後の動きからは目が離せません!

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https://chart.yahoo.co.jp/?code=3967.T&tm=5d&vip=off