ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

バイオベンチャーが多用する「MSワラント」について調べてみた件

GNI(2160)が発行したMSワラント

第三者割当てによる第40回新株予約権(行使価額修正条項及び行使許可条項付)の発行に関するお知らせ 

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いろんな方がいろんなことを言ってますが、僕は詳しくないので、後学のためにいろいろ調べてみました。

 

そもそもMSワラントとは?

今回発行されたのは「行使価額修正条項付新株予約権」というもので、英語ではMoving Strike Warrant(MSワラント)。または「MSSO」と呼ばれることも("SO"とは"Stock Option"の略)。

ちなみに、似たものにMSCB(Moving Strike Convertible)がありますが、こちらはMSワラントと違って社債が付いているもの。つまり、MSワラント社債が付いていない分、引き受け先の資金負担が軽くなるんですね。なお、MSワラントは払込資金の入金が保証されているわけではないようです(逆に、MSCBなら払込資金の入金がほぼ確実)。

 

「行使価額の修正」がポイントに

新株予約権による資金調達のポイントは、新株予約権の引き受け先が、新株予約権を行使しないと発行企業に資金が入ってこないということ。しかし、引受先としても、赤字続きで破たんのリスクすらある企業の新株予約権を積極的に行使しようとは思いませんよね。

そこで、MSワラントの登場。行使価額が株価等に応じて変動する仕組みとして、新株予約権の引き受け先が新株予約権を行使しやすいようにしているようです。

バイオベンチャーの多くは、研究開発に必要な資金を調達するために上場していますが、足元では赤字続きである企業がほとんどで、なかなか銀行からの融資も期待できず、スポンサー企業に増資を引き受けてもらうことも大変。

そんな状況なので、バイオベンチャーの資金調達方法としてMSワラントは多く使われるようになっているようです。

こんなにもあるんですね… 

 

MSワラントの問題点

問題点は、株価への下方圧力が働きやすい点にあります。

特に引き受け先がファンドや外資系証券会社などの場合(今回はモルガン・スタンレーMUFG 証券株式会社)、彼らはキャピタルゲイン目的で引き受けているので長期保有はまずありえないですよね。

株価は期待値で盛り上がって上がってきていたので、この高い位置から空売りを仕掛け、下限付近まで十分に下げたところで行使して新株を取得し、借りた株を株主に返すというプロセスが王道でしょうね。こうすることで、空売りによる値下がり分+行使価格と株価の差の両方を得ることができるので。もちろん、既存株主にとってはマイナスに働くことが多いように思われます。

 

思惑で動く株価

ちなみに、約135億円を調達額としていますが、下限の340円で2,000万株がすべて行使された場合での調達額は68億円となり、買収金額(65億円)は賄えてしまうことに。それがなんだかなぁ…ですよね。研究開発費用はまた増資があるのでは?とも疑いの目で見てしまいますから。

ただ、今回のIRでは上限価格が設定されていないので、短期的な値動きの予測がより難しくなっているように思います。「思惑」で動きますからね…。

いろんな方がいろんな思惑でINしているので、何が正しいかの唯一解はありませんが、「自分がよく分かっているものに投資しろ」という格言にもあるように、思惑でINするにしても、理解した上で参加すべきだなと改めて肝に銘じておきます。

 

https://chart.yahoo.co.jp/?code=2160.T&tm=3m&type=c&log=off&size=m&over=m65,m130,s&add=v&comp=