ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

アルツハイマー病治療薬の最前線

アルツハイマー病について調べなくては…と思いながらもなかなか手付かずでしたが、 最近アルツハイマー新薬に関する情報を立て続けに目にしたので、これを機にいろいろ調べてまとめてみました。 それでは『アルツハイマー病治療薬の最前線』をご覧ください。

[目次]

 

アルツハイマー病とは

アルツハイマー病(アルツハイマー認知症)」とは、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症」の一種であり、認知症の50%以上がアルツハイマー病だと言われています。

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※参照:そーせいグループ株式会社「株主通信 第27期中間決算号」

全世界では約4,500万人(北米:480万人、西欧:750万人、アジア太平洋:360万人)が認知症を患っており、2050年までに1億3,000万人にまで増えると予測。また、経済的な負担も大きいと指摘されています。ホームケアなどを含めて、アルツハイマー病の医療費は依然急増し続けており、北米、西欧およびアジア太平洋地域において6,400億米ドルと見積もられているようです。

 

原因は「特殊なたんぱく質による神経細胞の破壊」

アルツハイマー病では、脳の神経細胞が減少する、脳の中で記憶を司る「海馬」を中心に脳全体が萎縮する、脳に「老人斑」というシミが広がる、脳の神経細胞に糸くず状の「神経原線維変化」が見つかる、といった変化が現れます。
脳の中にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり出すことが原因の一つ。アミロイドβが脳全体に蓄積することで健全な神経細胞を変化・脱落させて脳の働きを低下させ、脳萎縮を進行させると言われています。このアミロイドβを原因とする考えの他にも、タウ仮説、アセチルコリン仮説、グルタミン仮説等、さまざまな仮説もあるようで…
なお、アルツハイマー病の根本治療はまだ存在せず、抗認知症薬で病気の進行を遅らせることができるにとどまっているのが現状です。

 

アルツハイマー病に有効と認められた4種類の薬

2016年現在、日本国内では認知症の薬としては4種類が認可されています。

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これらは2つのグループに分けられ、アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬」というグループに、そしてメマリーは「NMDA受容体拮抗薬」に分類されます。メマリーは前述3剤とは異なる働きを持つため、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のうち1剤と併用して治療することも可能。

アリセプト(Aricept / ドネペジル:Donepezil)

アリセプトアルツハイマー病の症状進行を抑制する薬であり、エーザイ株式会社より開発され「アリセプト」の製品名で販売。認知症治療薬の中でも古くから使用され、軽〜中程度のアルツハイマー病に用いられるものとして国内外とも大きなシェアを占めています。
アルツハイマー病では脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの活性が低下していることが分かっているため、アリセプトアセチルコリン分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害することで脳内でのアセチルコリンの濃度を高め、神経伝達を助けています。
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・メマリー(Memary / メマンチン:Memantine)

メマリーは第一三共株式会社が2011年6月8日に発売した、中等度および高度アルツハイマー病における症状の進行を抑制する薬。中等度、もしくは高度のアルツハイマー病で、他のコリンエステラーゼ阻害薬に耐えられないか禁忌のある場合の選択肢として推奨されています。
認知症患者の脳内では異常なタンパク質によってグルタミン酸が過剰な状態となり、NMDA受容体とグルタミン酸が結合することで神経細胞内にカルシウムイオンが多量に流れ込み続け、記憶のシグナルが妨害され記憶形成が困難になってしまうというグルタミン酸仮説」があります。
メマリーはNMDA受容体拮抗薬であり、「過剰な」グルタミン酸の放出を抑え、結果的に脳神経細胞死を防ぐ働きがあります。つまり、グルタミン酸がNMDA受容体と結合する前にマグネシウムイオンの代わりにNMDA受容体と結合することで、カルシウムイオンが神経細胞内に過剰に入り込むのを防ぎ、記憶の形成を正常化させるのです。ただし、正常なグルタミン酸の放出や記憶のシグナルまで抑えることはないので、統合失調症や幻覚などの副作用はないとされています。

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アルツハイマー新薬、Ph3の高い壁

現在、87の新治療法がアルツハイマー病の臨床試験にあるそうですが、1998~04年に臨床試験を行ったアルツハイマー病治療薬127剤のうち123剤が開発を中止。承認取得に至ったのはわずか4剤で、成功確率はわずか3.1%というデータが示すように、アルツハイマー新薬の開発はかなり難易度の高いものだと分かります。

answers.ten-navi.com

直近でも、Axovant社の5-HT6受容体阻害アルツハイマー病薬intepirdine(RVT-101)のPh3試験が主要目標2つのどちらも達成に至らず失敗した、との発表が。

finance.yahoo.com

5-HT6受容体(※)標的薬の失敗は目新しいものではなく、PfizerやLundbeckも失敗をしていたのですが、

  • 2023年までに最大20億米ドルの売り上げを得られるようになる
  • プラスの試験結果が出れば株価が4倍に値上がりすることもあり得る

と大きく期待されていたこともあり(そもそも誇大広告だった?)、その反動も大きく、新薬への希望がまたしても失望に変わった瞬間でした。

5-HT6受容体
セロトニン(5-hydroxytryptamine:5-HT)受容体の一つ。セロトニンは中枢神経系の伝達物質として機能し、脳機能の調節において重要な役割を果たすと考えられている。また、5-HT6受容体拮抗薬はアセチルコリン神経細胞グルタミン酸神経細胞に対するGABAニューロンの抑制を解除することにより、認知を改善させることが期待されている。

Fiona女史は、Axovant社のニュース記事を引用して、以下のようなコメントをツイートしていましたね。

5-HT6アンタゴニストは、アルツハイマー臨床試験におけるエンドポイント(有効性を示すための評価項目)に適合しない。 このメカニズムでは、効果が十分ではない。 

 

そーせい(4565)のパイプライン

ちなみに、そーせいはAllergan社と提携し、選択的M1受容体作動薬、選択的M4受容体作動薬、及び、M1/M4デュアル作動薬の3つのパイプラインの開発を進めています。

個人投資家説明会資料(2017年5月22日)より

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中でも、臨床試験が一番進んでいる選択的M1受容体作動薬は、アルツハイマー病や認知障害の適応で臨床試験が進められています。
既存薬であるアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は内因性のアセチルコリンの機能を基とするため、非選択的ムスカリン作動薬として作用し、有効性が限定的、持続性がない、副作用による投与量の制限などの問題がありますが、M1はその問題点をすべてにおいて解決し、既存の治療法に比べ、より副作用が少なく高い有効性を有する可能性があるとされています。

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これらMシリーズも含め、アルツハイマー新薬のPh3の高い壁を乗り越える新薬は現れるのでしょうか?今後の進捗に注目です。

米製薬協(PhRMA)が発表した、臨床試験段階のアルツハイマー病薬候補一覧(PDF)

 

また、早期発見というアプローチでも新しい動きがあるようです。最近話題のリキッドバイオプシーによる「2滴の血液でアルツハイマー病診断」。進行を遅らせる治療薬もまだまだ不十分ではあるものの、発見が早ければ早いほど、より進行を遅らせることはできますからね。こうした動きにも注目していきたいですね。

www.jprime.jp