ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

ホロン(7748)と半導体とEUVリソグラフィ

11月6日の決算の大幅な上方修正を受けて、ホロン(7748)の株価がとても好調に推移しています。

kabutan.jp

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この業績予想の修正理由は以下のように記載されており、EUVリソグラフィ関連の市場拡大が要因の1つだと考えられます。

当社製品を長年ご愛用いただいている顧客から引き続きリピートオーダーをハイペースでいただいております。また、EUVを用いたパターン転写(リソグラフィ)プロセスの開発を半導体製造メーカーが急いでいる背景より、第3四半期以降には、注目されている欠陥レビューSEM電子顕微鏡)「LEXaシリーズ」ならびに当社の主力製品である最新鋭のフォトマスク用 CD-SEM「ZX(ジーテン)」等の納入が予定されております。

 業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ(2018年11月6日)

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今回は、この「EUVリソグラフィ」を取り巻く環境について調べてまとめてみたいと思います。

まずは、そもそもその「EUVリソグラフィ」って何?となると思うので、簡単に説明しておくと以下のようなものでしょうか("簡単に"と書いたものの、小難しい説明…汗)。

 

"EUVリソグラフィ"って何?

EUVリソグラフ

EUV(Extreme Ultraviolet、極端紫外線)と呼ばれる、非常に短い波長(13.5nm)の光を用いるリソグラフィ技術(感光性の物質を塗布した物質の表面を、パターン状に露光することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術)のこと。次世代半導体微細加工を支える技術であり、サイクルタイムを1ヵ月以上短縮できるなどの生産性改善をもたらす
現時点では、EUVリソグラフィ技術は光源を含め開発途上で、数年のうちに実用化されることが期待されている。

また、下記記事は、書かれたのは2014年5月12日と少々古いが、EUVが求められている経緯や、EUVがもたらすメリットなどについて分かりやすくまとめられていると思いますので参考まで(専門的な記述もあって難解な部分もありますが…)。

半導体プロセスまるわかり EUVは微細化の救世主となるか?|ascii.jp
https://ascii.jp/elem/000/000/892/892582/

 

メモリ投資は減少するが、ファウンドリーが牽引する半導体市場

それを踏まえた上で、半導体市場の全体像から見ていきましょう。

eetimes.jp

・2018年の半導体売上高、過去最高となる見込み
・2019年はメモリ市場の減速により投資額は減少
・メモリメーカーは過剰供給により投資のペースを調整しているが、2020年には回復
ファウンドリーの投資は2019年も安定
・特に先端ノードへの投資は、EUVリソグラフィ技術などに牽引されて伸びる見込み 

 

また、WSJでも下記のような記事があり、半導体市場全体は厳しいものの、ファウンドリー関連は好調維持で、特にEUVは注目に値する」という見通しは、現時点での主流なものでしょうか。

jp.wsj.com

・来年は設備投資傾向が今年とは逆転し、メモリー半導体が12%減、ファウンドリーが14%増を予想
・EUVは「ムーアの法則」の限界に達しつつある業界の鍵を握っている
集積回路の小型化・高密度化による高性能化は世代を追うごとに難しくなるため

 

さて、このようにまだ発展途上の技術ではあるものの、電子ビーム技術の業界団体であるeBeam Initiativeの第7回年次調査報告によると、関係者はマスク市場の伸長とEUV実現にかなり楽観的とのこと。

www.optronics-media.com

・回答者の95%が、2018年から2020年の間、マスク市場全体として年率4.1%あるいはそれ以上の成長率を達成すると予想
・回答者の 82%が、2021年までにEUV露光が量産に使われると予想
・EUV対応の化学線波長検査機への期待は引き続き大きい
・回答者の82%がマルチビームマスク露光機は2020年末までには量産に使われると予想

 

下記の記事からも、日本企業も半導体製造装置各社の業績見通しは厳しいものの、テスト分野やマスク関連は好調を維持するだろうということが分かります。

limo.media

テスト分野では現在、デバイスによってはテストタイムの長時間化が顕著に進んでいるところがあり、テスターやプローバーなどの必要台数が増加している。モバイル用プロセッサーではAI機能の導入やカメラ複眼化に伴う画像処理機能の負荷増大がテスト時間を伸ばす要因となっている。また、ドライバーICにタッチコントローラー機能を統合したTDDI(Touch and Display Driver Integration)では従来のドライバーICに比べてテスト時間が約3倍に伸びており、テスト関連装置の受注を押し上げる要因となっている。

 

マスク関連も技術トレンド変化の波を受けて、好環境を享受する。足元ではマルチプルパターニングに対応した需要増に加え、AIやサーバー、仮想通貨といった、いわゆるHPC(High Performance Computing)分野の立ち上がりに伴い、先端ロジックにおける顧客数が増加していることもマスク需要を押し上げる。

 

EUVリソグラフィの量産導入で恩恵を受ける企業

次は、このように「EUVリソグラフィの量産導入」が現実のものとなったときに、どういった企業が市場をリードしていくのかを見ていきたいと思います。

まず世界に目を向けると、上記記事でも触れられていたが、EUV装置の事実上唯一のメーカーであるオランダのASMLがリードしていくのは間違いなさそうで、それに続くのが、インテルファウンドリー世界大手の台湾積体電路製造(TSMCでしょうか。あとは、"EUVリソグラフィによる7nmチップの製造を開始"すると発表したサムスンあたりも。

また、日本企業はというと下記記事がいくつかの企業が挙げられています。

limo.media

上記3社は、下記の記事でも触れられています。

limo.media

ただ、これらの企業は時価総額が大きく、展開する事業も多岐にわたるので、「EUVリソグラフィの量産導入」で恩恵を受けたとしてもそれほどインパクトは大きくなく、一方で、ホロンのような時価総額が大きくない(2018/12/14時点で85億円)企業ほど、受ける恩恵が大きいものとなるのではないでしょうか。 

 

市場の追い風を受けて好調を継続するホロン

そんなホロンの事業内容は以下の通り。まさに今後も好調を維持する分野の一つ「マスク関連」を主戦場としており、電子ビームを使用した「マスク検査装置」を主力製品としています(※ホロンの強みと戦略)。

当社では、小型化及び高機能・高性能化が進むパソコンやスマートフォンスマホ)、デジタル家電などの機器に不可欠な半導体が、設計通りに正しく作られているかを検査・測定する装置を主力製品としています。
急速な進化をつづける半導体およびナノテクノロジー産業。当社はその一翼を担うべく、研究開発、製造・販売、保守・メンテナンスの連携を強化し、最適なサービスを提供してまいります。

 

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2019年1月集の四季報には以下のような記述も見られたし、今期経常を80%上方修正したものの、市場の追い風を受けて、さらなる上方も期待したいですね。

好採算のマスク検査用走査型電子顕微鏡は上期2台、下期は追加受注含め複数台出荷。量産効果で営業益上振れ。最高純益

 

順調な半導体投資を受け、顧客の追加受注を狙い営業展開。

 

https://chart.yahoo.co.jp/?code=7748.T&tm=6m&type=c&log=off&size=m&over=m65,m130,s&add=v&comp=