ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

JMC(5704) - 中期経営計画を受けて

(追記:2019年6月13日)

かれこれ1年以上推してる銘柄、JMCが、5月30日に中期経営計画を発表しました(※中期経営計画説明会の動画はこちらから)。

 

JMCのビジネスモデルや強みは基本的には変わっていないので、興味のある方は以前の記事を見てください。

barista-stock.hatenablog.com

 

いろいろな考え方、思惑があるのは常なので仕方のないことですが、JMCについて、あまりきちんと理解されてなさそうだと感じる節もあるので、今回はそれについて僕なりの考えを整理したいと思います。

 

1. 「3Dプリンターの会社」ではない

当社が3Dプリンタ ー出力事業で製造業に本格参入し、今年2019年で20年目の区切りを迎えました。

中期経営計画の冒頭でこう書かれているように、今の事業形態は3Dプリンター出力事業から始まったので、3Dプリンターの会社だと思われている方も多いですが、実際は「CT事業」「3Dプリンター事業」「鋳造事業」の3事業が連携しあっていて、鋳造事業が売上の60%近くを稼いでいる状況です。

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JMCの鋳造は砂型鋳造になりますが、砂型鋳造の日本市場は自動車を中心とする電動化市場に成長環境があり、今後も継続する見込みとのこと。JMCの主力事業はまだまだ成長途上にあるようです。そのJMCの鋳造事業の特徴を2つ、挙げておきます。

特徴1:アルミの鋳造

EV化においては「軽量化」と「熱を逃がすこと」が重要になるのですが、これにはアルミニウムという素材がとても適しているようです(IR担当の方より)。これはJMCが得意とするものであり、それが功を奏して今の状況に至っています。

特徴2:開発パートナー的立ち位置の確立

複数の大手メーカーから高い評価を獲得し、それぞれのメーカーにおける開発パートナー的立ち位置を確立しつつあり、自動車のEV化にともなう新規試作開発のみならず、高度な技術を要する内燃機関系の案件が増加し、CT事業においてはモータースポーツ関連等の高付加価値案件の増加が好業績の一因

直近の決算短信にも書かれていたように、クライアントとより深い関係を構築しつつあり、それが高付加価値案件となり、特に直近の利益率向上にもつながっています。

IRの方に聞いた話では、JMCは3Dプリンターで造形した砂型にアルミを流し込んだあと、CTで「巣」がないかをチェックして出荷しているとのこと。つまり、これまでは「短納期」がウリだったのが、3Dプリンター事業&CT事業との組み合わせで高品質も担保できるようになってきた点が、高い付加価値の提供につながっています。

日本でも金属3Dプリンターが注目されてきているようですが(現時点のJMCは、金属3Dプリンターは未導入)、JMCは単なる「3Dプリンターの会社」という枠組みを超えて、「CT事業」「3Dプリンター事業」「鋳造事業」の3事業の連携によって付加価値を提供している会社に変貌しつつあるのです。

 

2. 高成長だけど長めの時間軸で

中期経営計画自体、物足りないと指摘している方もいるようですが、僕自身そうは思っていないものの(気持ちは分かるw)、他にもっと高成長・急成長する企業は存在しますし、短期的で急激な成長を望まれている方にとっては少し物足りなく感じるのも無理はありません。ただ、僕自身も2019年12月期1Qのような数字が直近も続くとは思っていないので、そのあたりのことについても触れたいと思います。

 

2-① キャパの観点

・2018.01.31 鋳造工程に特化した新工場稼働のお知らせ(pdf)

・2018.07.26 鋳造事業における生産設備増強についてのお知らせ(pdf)

2018年12月期2Qからの鋳造事業の大幅な伸びは、上記リリースより、2018年1月から稼働開始したコンセプトセンター第5期棟(延床面積 1,397.93㎡)2018年7月、及び11月に大幅に増強された生産設備によるところが大きいと考えられます。

現在の稼働率は分かりませんが、鋳造事業の成長にはこのキャパ問題はついてまわるものなので、今後の短期的な成長はキャパシティ増なくしてはありえません。それでは、今後の増強はどのような計画なのか?それは、中期経営計画に以下のように書かれています。

現在(2019年5月現在)建設中のコンセプトセンター第6期棟が稼働すると、鋳造工程における高難易度な製造および製造時間短縮が実現し、ミ ーリングセンタ ーの稼働によ って、大型部品加工や外注加工の内製化が実現します。これらの効果により、鋳造事業全体の技術力、生産能力の大幅な底上げがなされる見込みです。更に本中期経営計画期間においても需要に即応し設備投資を実行していく考えであり、同事業の生産能力はより一層向上してまいります。

 

・2019.02.25 コンセプトセンター第6期棟の建設について(pdf)

・2019.04.19 (開示事項の経過)固定資産(新工場建設)の取得に関するお知らせ(pdf)

コンセプトセンター第6期棟(延床面積 521.5㎡)は2019年7月に稼働開始予定で、自動車分野におけるコア部品製造に注力し、鋳造工程における高難易度な製造及び製造時間短縮が実現されるとのこと。また、静岡県浜松市に建設予定のミーリングセンター(延床面積 1,606.29㎡)は2019年11月下旬に竣工予定で、こちらでは大型部品加工や外注加工の内製化が実現され、自動車のEV化により大型化・精緻化する開発需要に対応、生産能力を強化されるとのことです。

したがって、次のキャパ向上が鋳造事業の業績向上に大きく寄与してくるのは、2019年12月期の下半期、あるいは来期2020年12月期以降になると想定できます。今期2Q、3Qは横ばいぐらいですかね。慌てない、慌てない。

2-② 新規事業の観点

次に、新規事業の観点です。

中期経営計画でも触れられていますが、すぐに業績に直結するのは難しいとは思うものの、「医療機器分野」と「航空分野」には期待したいなと思っています。

ただ、「航空分野」に関しては、2021年建設開始予定の伊豆木センター(長野県飯田市)が生産拠点になるので、売上として大きく見込めるのはまだ当分先ですね。

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ちなみに、長野県飯田市はもともと航空・宇宙分野で実績を上げている企業が集積している地域のようなので、動き出したら早いだろうなとは思っています。

 

一方、「医療機器分野」は、少しずつですが事業として育ってきています。

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HEARTROIDを中心に、2018年に海外での医療機器販売に強い企業と提携して、2018年の海外比率も上がってきていたりと、実績を積み上げてきているのが心強い。

また、IRの方いわく、海外では動物実験が禁止されている地域は多いこともあって、HEARTROIDの引き合いは海外で強いようなので、引き続き海外市場の開拓をがんばってほしいところです。 

 

他に期待したいものとして「医療機器の製造販売」もありますが、2018年に「医療機器製造業」と「医療機器製造販売業」の許可を取得したところで、まだまだ投資フェーズ。

 

 

また、社長は以前、以下のようなことを言っていて、直近では海外製品の国内薬事取得の事例も実際に出てきているので、今後はさらなる高付加価値案件に取り組んでいってもらいたいものです。

私どもの日々の3Dプリンターのビジネスで、試作開発、アイデア等をいただきながら物のを作るということはしていますけれども、「製造」という免許がないので、一旦、製造は外部に投げます。投げていった中で、またそれを売る、売らないの機会をいただくのですが、そのようなところを一貫してできるような会社になっていきたいと。
もしくは、海外でライセンスアウトしたものを日本に持ってきて、私どもが作って売る。その際に、また私どもはシミュレーターを作りながらご提供する。付加価値を上乗せして販売していくような事業モデルを目指すための投資の期間だと思っています。

 

追記(2019年6月13日)

医療機器関連の売上について、説明会の動画で社長が触れていたので追記しておきます。質疑応答があったわけではないのですが、「"今後の3Dプリンター出力事業の売上目標に、医療機器は含まれていますか?"とよく聞かれるのですが…」と社長自ら切り出し、自問自答の形で「セキュアポート1商材のみです」(動画 22分40秒あたり)とのこと。なので、今後セキュアポートのような形で商材を追加し、それが売れていけば、新規で積み上がっていくことに。これも楽しみですね!

※参照)カテーテル被覆保護材「セキュアポートIV」について[プレスリリース]2019.03.18 当社初の医療機器薬事取得のお知らせ

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このように、僕自身、JMCに対する期待値は高いものの、成長の時間軸は長めに見ています。もちろん、株式投資において短期的に値幅をとっていくこともできると思いますが、僕のような見解もあるんだな、と多少なりとも参考にしていただければ幸いです。

そして最後に…もしJMCという会社に興味を持たれた方がいたら、ぜひ社長の話も聞いてみることをお勧めします。1年ほど前のものになりますが、ラジオ日経に出演されていたので、こちらもぜひ参考にしてみてください。それでは。