ばりすたの株式備忘録

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株の世界で5年後も生き残っていたい…

【追記あり】ムスカリンM1作動薬HTL0018318に関するお知らせ

本日、そーせい社より、アルツハイマー病やDLBを適応とするHTL18318の、カニクイザルを対象にした長期毒性試験において、毒性所見(稀な腫瘍)が見出されたため、臨床開発を自主的に中断するとの発表がありました。

ムスカリンM1作動薬HTL0018318に関するお知らせ(2018年9月18日)

 

詳細は、オンライン説明会の動画プレゼンテーション資料(以下にいくつか抜粋して掲載)をご覧いただくとして、今回の件で、個人的に気になったポイントを書き留めておきます。

 

  • 過去の動物試験(ラット:6ヶ月、カニクイザル:3ヶ月)では毒性事象は観察されていなかったようだが、なぜ9ヶ月もの長期毒性試験を行っていたのか?

  • 用量も、臨床試験で設定されたものを上回る量の投与があったようだが、どれぐらいの量が投与されたのか?また、なぜ、その量の試験を行ったのか?

  • そもそも、試験対象のカニクイザルはどのような状態のサルだったのか?

  • 原因究明のために試験が中断されるほどなので、"rare tumor"はあまり良くない腫瘍だと思うのだが、それがどれぐらい良くないものなのか?

  • マルコムいわく、"rare tumor"が"in several monkees"で発生したとのことだが、そこには共通性が見出されるのか?そして、M1投与との因果関係は認められるのか?

 

このあたりが、個人的に気になっている点でしょうか。後半2つは、これからの分析、調査で解明されるべきものにはなりますが。

追記(2018/09/20)

フォロワーの方がIRに確認してくださったようで、気になっていた点が一部クリアになりました("契約上、公表できない"ということが分かった点も含め)。内容は以下の通り。nimuraさんには了承いただき、掲載させていただきます。

期間や用量は万全を期して必要以上のものだったのかもしれませんが、臨床試験をさらに進めていく上で必要な前臨床試験だった、ということですね。調査は進んでいるので、結果を待ちましょう。 

 

また、「毒性試験」というものの性質を理解しておく必要もありましたね。以下のツイートを参照。

 

そもそも、このHTL18318は、アセチルコリン分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼの働きを弱めてアセチルコリン濃度を高める(←アリセプトのアプローチ)わけではなく、アセチルコリンそのものの役割を代用するというもの。

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アリセプト(ドネペジル)でさえ、ヒトにおいて副作用がある現状なので、ストレートに作用するもの、つまり、より効きが強いものを、より多くの用量で、より長い期間投与したら、薬は毒になりうる、ということを表す事例ではないでしょうか。今回はカニクイザルに対する試験ですが。

原因が究明され、因果関係が明らかにされるのを待つしかないですね…

 

今回のポイント(資料抜粋)

ここまでは、僕の気になった点について書いてきましたが、今回の中断に至った経緯や概要については、プレゼンテーション資料に詳しいので、以下の資料をご覧ください。

 

プレゼンテーション資料(PDF)

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田村会長の挨拶

また、今回の説明、質疑応答の最後に、田村会長からの挨拶があったので、そちらを記載して締めくくりたいと思います(動画の39分10秒あたりより)。

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今日の話の要点は、HTL18318の臨床試験が早期に開始できるかどうかにかかわらず、私どもは提携済みの、及び自社の豊富なパイプラインを有している、ということでございます。そしてまた、基盤技術により、新たなパイプラインを次々に投入でき、企業価値を持続的に高めることができる、というこであります。


バイオ医薬品産業において、つまずきがあるのは日常茶飯事です。


私どもに関してましても、10年ほど前に、今回のつまずきとは比較にならないほどの深刻な挫折がありました。その後、忍耐強く努力を重ねて、見事に回復、成長することができました。困難を乗り越えて、企業はより強靭になり、そのおかげで、さらにそれが次の飛躍への原動力となります。


私どもは、今回のつまずきは、今後私どもが、より賢く、強靭になるためのいいチャンスだと捉えております。みなさま方のご支援のもとに、世界に冠たる日本発の本格的なバイオ企業になることを目指して参りますので、よろしくお願い申し上げます。

 

質疑応答

オンライン説明会の後半にあった質疑応答について、トラベルエアさんがいつものようにまとめてくれていたので、拝借して掲載させていただきます。

 

今回のまとめは、現状では以上です。

もちろん、明日の株価への影響、及び、今後の需給の悪化は避けられないと思いますし、それは受け入れますが、「臨床試験における人命への悪影響」という最悪の自体を未然に防ぐことになったとも言えるわけですし、田村会長も言及しているように、他にもパイプラインはあるので、今回の原因究明と並行して、企業価値の向上に取り組んでいってもらいたいものですね。ふぅ…

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